序章

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数週間探し、やっと見つけた龍は今まで見て来た龍とは異なるものであった。     洞窟の奥に巨体を横わらせ、吐く息は凍付くほど冷たく、目は無く、口は大きく裂け、背骨は鋭く突起して肉を突き破り生え、羽根はまるで大きなコウモリのように不気味で手足は無駄に大きく、皮膚はぬるりと光っていた。     見た目だけではない、その龍からはとてつもない緊張感を感じ、足がすくむほどで、人間の言葉を介し、身動きのとれなくなった国王の一味に語りかけた。     『チカラハ欲シクナイカ?』
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