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真田一家の玄関の門が見えた頃、悠紀が息を切らして座っていた。
俯いている悠紀は、いつもの余裕のある悠紀じゃない事が分かる。
俺は悠紀の前まで来ると名前を呼んだ。
「…悠紀、」
勢いよく顔を上げた悠紀は俺と彼女を見るなり立ち上がる。
「朔夜!お前、何処行ってたんだよッ!」
俺に怒鳴った後、直ぐに彼女の顔を見る。
「青菜は大丈夫かッ!?誰か他のヤツに何かやられたのかッ!?」
「大丈夫だよ。お腹がすいて倒れちゃっただけ」
そう俺が言うと、悠紀は門の柱に倒れかかり「ハァ…」と大きく息をはいた。
「…ったく、どれだけ心配したと思ってんだよ…。ホント…、良かった…」
「悠紀……、」
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