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朔夜が帰った後、渡された二つに折りにされた紙をもう一度開き、書かれた文字を見る。
『お誕生日おめでとうございます。
これからも幸せを願っています。』
ただそれだけ書かれた紙だけれど、朔夜の思いが伝わってくる。
青菜さんが彼女の所へ訪れてから、彼女は少しぼんやりしていた。
「…どうした?」
私が心配になって尋ねると彼女はぼんやりしたまま言った。
「……朔夜を生んでくれてありがとう、って言われたの…」
そのまま彼女は立ち上がり縁側に座る。
何か思い出している様なそんな表情の彼女。
今なら彼女に、朔夜の気持ちが伝わるんじゃないか…
私は再び紙を二つに折り直した。
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