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ありがとうと言う言葉に、悠紀は驚いて俺を見ていた。
そして、俺は彼女に目を向ける。
今だにジタバタしている彼女の腕を引っ張り、引き寄せ抱き締める。
「わ…!」
「さ、朔夜…!」
悠紀にお構いなしに俺は抱き締めたまま、彼女の耳に口を寄せた。
「ありがとう、青菜…」
スッと離れ、彼女を見るとキョトンとした顔で俺を見ていた。
「…さてと、中に入ろうよ」
「お、おい!朔夜!」
さっさと中に入る俺を悠紀が呼び止める。
俺は悠紀の方を向いて、ニヤリと笑った。
そして、小声で言う。
「悠紀、隙があれば奪うから」
「な……ッ!」
唖然とする悠紀を横目に俺は花梨に頼まれていた事を思い出す。
「そう言えば、花梨が、また会いに行くから、覚悟しときなさいよ、青菜!って、言ってたよ」
「花梨ちゃんが?」
「うん」
彼女は嬉しそうな顔をして、悠紀の袖をおもいっきり引っ張っる。
「嬉しい!また、花梨ちゃんに会えますッ!」
「うわ…!ちょっ、青菜!」
その内、俺の腕も掴んで居間へと走って行く。
「青菜、落ち着け!」
「わーいッ!」
引っ張っられるまま、俺は心の中で呟いた。
……ただいま、
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