7978人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもの様に俺は家を抜け出した。
家にいたら何かと構われて面倒だ。
悠紀君は可愛いだの、かっこいいだの、
将来が楽しみだの、
子供だからって、バカにすんじゃねぇよ。
俺は帽子を深く被り直す。
行き先は特に決めてない。
とりあえず、ぶらぶら歩いていたら、通りかかった公園から声が聞こえた。
「ちがうもんッ!」
「何だと!うるせぇ、チビ!」
気になって覗いて見れば、小さな女の子が立っていて、その前には俺と同い年くらいの男の子が3人いた。
「チンピラなんかじゃないもん!みんなが悪い人なんかじゃないもんッ!!」
「極道はみんな悪い奴だ!だから、お前の父ちゃんも母ちゃんも死んだんだろ!」
極道…?
俺は小さい女の子の顔をじっと見る。
あ、あの子は……
「うるさいチビ!この野郎ッ!!」
1人の男の子が、その小さな女の子に向かって手を振り上げた―――…
最初のコメントを投稿しよう!