始まりと朝

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  「あっ、おじいちゃん。おはよぉ~」 もぞもぞと体を動かしながら体半分を起こして、にへらぁと笑う。 「おはよぉ~?今は、お昼の12時じゃあああッ!」   「ひぎゃあーーッ!」   私の名前は草野 青菜(くさの あおな)、19才。 ちなみに無職かつ独身(笑) 「たくっ、青菜は…。毎日怒られてこりんのかッ!」 朝から私を怒鳴っているこの老人は草野 清一郎(くさの せいいちろう)。 口うるさい私のおじいちゃんだ。 「ん?何か言ったか?」   「い、いえ!別に…」   「まぁまぁ組長。お嬢も反省されているようですし許してあげたらいいじゃないですか」   平八さん! あなたは何て優しいお方なの!! 平八(へいはち)さんは、おじいちゃんの付き人で、とっても優しくて何でもこなせて組の中で1番頼りになる人なんだよね。 そんな優しい平八さんは、いつも私を助けてくれるの。 「いや!甘やかしてはイカン!!こういう時はビシッとせんと!」 ビシッと…? 朝からそんな起きれる訳ないじゃないッ! このくそじじいッ!! 「あ~お~な~… 」 えっ! 何かおじいちゃんかなり怒ってるッ! な、なんでッ!? 「思っとる事が全部口に出とるわッ!」 「え…、うそ! ひぃーーーッ!!」 どうかご勘弁をおじい様!!
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