壱~その男、永巳新八~

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「俺はよう、お前が出世するのを心から願ってんだぞ?まるで息子を思う気持ちで…」 「平八の息子になった覚えはないぞ~」 「ひどっ」 青空の下、秋の風が二人を吹き抜けた。 「おはよ、総太」 この時間は学校にいる人は少ない。 なぜなら、今が07:30になったばかりだからだ。 部活の朝練習がある人しか来ない時間帯なので、当然少ない。 新八と平八郎は剣道部の朝練のために毎朝来ている。 いらない荷物を置きに行くため、いつもならここ-…2ーBで新八と平八郎は朝の挨拶をするのである。 いつも通り教室のドアを開くと、教室の窓側の席に人がいた。 「おはよう新八、平八郎」 名を呼ばれ、優しい口調で二人を迎え入れたのは、同じクラスで剣道部の西田 総太だ。 「二人が一緒に来るなんてめずらしいね」 「たまたま会ったんだ、俺ん家の近くで。またいきなり飛びかかってきたんだ」 「はは、多分その癖は治らないよ。『飛翔王』の名を持つくらいなんだからさ」 少し長めの髪を揺らして楽しそうに笑った。 「確かに…あいつピョンピョン跳ねて試合するからなぁ…」 新八の横で平八郎はピョンピョン跳ねていた。
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