第1章 君の瞳

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んー。やっぱりネクタイなんて似合わないよなぁ。 さっきから鏡に映る自分とにらめっこをしてはため息が出る。 俺、神代 裕也(カミシロユウヤ)。 今日から聖藍(セイラン)高校に通う高校一年生だ。 この選んだ理由は、特にないかな?強いて言えば、設備がとてもいいから。 しっかし、俺がネクタイを着けるなんてなぁ…。 これみよがしにポーズをとってみる。…全く様にならない。 「…何やってんの?お兄ちゃん」 ノックもせずに、ずかずかと俺の部屋に入って来たのは俺の妹、陽菜(ヒナ)。 その陽菜に冷たい目線を向けていることから、先程のポーズを見られてしまったことを悟る。 「お兄ちゃん今日から高校生でしょ?いつまでも馬鹿やってないで早く行けば?」 反論する間もないまま、言いたいだけ言って陽菜は出ていった。 …結局あいつ何しに来たんだ?中二が考えることは、さっぱり分からん。 俺は最後に軽く身なりを整えてから家を出た。
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