461人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
レイカは手早く服を直し、カーディガンをはおった。
「それだけ元気なら大丈夫ね。」
雰囲気で、今日もこのまま帰られると悟ったのだろう、少年はちょっと残念そうだ。
レイカはマスカットを一粒口に含む。
そのまま少年にかがみこむ。
再び起き上がると、口からマスカットの皮を取り出し、お皿においた。
「ビタミンCの補給、完了。」
少年は、口にマスカットの甘味。
気付けばすでにレイカは部屋から出ていくところだった。
「せ、センセイ!」
「お大事に。」
カツカツカツ
バタン!
車に乗り込んだ瞬間、レイカは全身の力を抜く。
そしてヘナヘナと座席にもたれた。
「今日もなんとか助かったあ~。」
しかし、分かっていた。
無意識に、股をぎゅっと閉じた時、ジュン、と下着が滲む。
レイカはため息。
自覚していた。
レイカはあの時、確かに女性として感じていたと。
いっそ、「そういう事」の先生になりたい・・・。
レイカはエンジンをかける。
踏み込んだアクセルは、ほてった身体をおさめるには物足りないものだった。
最初のコメントを投稿しよう!