セーナの異変とネスラの不思議

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セーナの熱は、怪我の所為か下がるのに3日かかった。その間ネスラは甲斐甲斐しくセーナの世話をした。セーナは、そんなネスラにとても感謝していたが、不思議に思うことが幾つかあった。 1つは、ネスラが夜になると様子がおかしくなることだった。まず、昼間は暇になると布や包帯を変えに来て、軽く他愛もない話などをしていたが、夜には夕食の時1度しか来ない。それがおかしくないとして、夕飯を運んで来るときもおかしかった。帽子をしっかりと被り、俯いて急いで置いていくのだ。あの深緑の髪は、帽子に隠れ全く見えない。 その他に、外からのあの声だった。セーナが1人で居ると、たまに聞こえてくるのだ。何と言っているかはよくわからなかったが、誰かを探しているようだった。 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰 熱が下がり、ネスラから動いても良いと許可が出たとき、セーナは心から礼を言った。 「ありがとうございます。本当に助かりました。今度はノールさんが俺の命の恩人です。だから、今度は、俺が何かします。何か、することないですか?」 セーナの話を聞いたネスラは驚いた顔をして首を振った。そしてメモを見せる。
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