セーナの異変とネスラの不思議

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「なるほど。あれ?でも最初の時俺の耳元で聞こえましたよ。」 〈それは、私のこの能力は応用が出来て、触っている植物が他の植物に触れていたら、その植物からも声が出せるんです。意識すればですけど。〉 「へぇ。」 〈あの時と、今も、本当に、ありがとうございました。〉 そう言って礼をしたネスラにセーナは苦笑した。 「おあいこですよ。」 〈まだ、聞いて欲しいことがあるんです。〉 「ん?」 〈あの、私、私、精霊と人の子供なんです。〉 セーナはあまり驚かなかった。ネスラの髪と目の色が、この大陸の人間の色ではないことは、違う大陸の人間同士の子供で、この大陸に移住してきたと思い気にしなかったが、髪や目が時間ごとに変わることはありえなかった。また、さっきの話で、そういう特殊能力を持つのは精霊との子供と決まっている。 〈父が精霊から人になって、その影響なのか、昼はこの色で、夜は母と同じ、真っ白になります。これが、私が今まで夜出てこなかった理由です。〉 「そうだったんですか。」 セーナは、ネスラが秘密を話してくれたことを嬉しく思った。しかし、ネスラの呼吸が荒くなってきたことに気付き、今はもう話を終わらせ、寝かせることにした。
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