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「じゃあプレゼントを買うために?」 「そうなのよ。ほら、カズマの欲しがってるあの腕時計。あれをカズマにプレゼントしてあげたいから」 カズマがよく欲しい欲しいと漏らしている腕時計は安くとも60万はする高級ブランドのものだった。 私は焦った。 そんな高価なものをプレゼントするなんて、あきらかに友達感覚ではない。恋愛感情を伝えるに等しいではないか。 「やめておきなさいよ」 私はきつい口調で言った。 靖子は驚いたように私を見ている。
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