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「わかってるわ。そりゃいくらかは親に出してもらわなきゃならないかもしれない……。けど、半分でも、ううん三分の一でもいいから自分の手で稼いだお金をプラスしてプレゼントしたいのよ」 やれやれ。これだからお嬢さん育ちは嫌だ。 「ずいぶんと甘えた考えね」 と、私は言った。 靖子は大きな目をぱちぱちさせて私を見た。 「自分の手で稼いだお金をプラスして?馬鹿馬鹿しい。結局は親のお金も当てにしてるわけじゃない。そんなお金で買ったプレゼントなんてカズマもちっとも嬉しくないと思うわ。全て自分の手で稼がなきゃ意味がないことがわからない?親のお金で得た高級時計なんかより靖子自身が稼いだお金で買った100均のプラスチックの時計のほうがずっと価値があるのよ。どうしてそれがわからないの?」 「わかってるわ。でもまさか実際に100均の時計をプレゼントするわけにもいかないし」 「それなら無理に何かをプレゼントすることないじゃない。ほら、去年みたいにカラオケ行って朝まで飲んで三人で馬鹿騒ぎすれば充分よ」 「でも……」
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