夢慈現ファイルその1

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シャオは囲炉裏の傍らで火鉢を持ち、熱せられた炭をつついている。表情は変わらず笑顔で心が和む気がした。 炭から発せられた煙は上へ上へと昇り、天井の中央にある穴から外へと出ていく。 俺はそれを横目に、今日の夕食の材料となるであろう食材を、爽快に切っている。 少ない緑の野菜と大量の芋。 木の板の上にあるのはそれだけだ。 しかし、文句など言ってはいられない。 なにせ今日は、食べ物を胃におさめることができるのだから。 それだけで充分である。 俺は切り終えたそれらを一つに纏めて鍋に入れた。 あとは水があれば煮れるのだが……。 そんなことを考えていると、後ろの方からしゃがれた声がかけられた。 「リオバよ。水を持ってきたんじゃが、運ぶのを手伝ってくれんかの」 チグ婆だ。 俺は入り口にかかっている布を上げ、チグ婆を中に招き入れた。 もちろん水が入っている瓶は俺が持った。 水を鍋に入れ、具を煮始めた。  
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