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『……確認した』
「!?」
どこからともなく声が聞こえると、突然門の脇に置いてあった二つの騎士の石像が大きな音を立てて動き始め、石像の後ろに隠れてあったレバーを下に引くと、
──ゴゴゴゴゴゴッ!!
大きな音を鳴らしてゆっくりと、閉じられていた扉が左右に開き始める。
それを唖然として見ていたミラノを、後ろにいた二人は苦笑しながらその様子を見ていた。
「……やっぱり」
「うふふ、私たちも初めはああやって驚いたわよね」
リゼルとゼノスは、ルベリア魔法学院に来たのはこれで二回目だった。一回目は下見で来たのだが、同じように石像が動くことに驚いていた。
「……これって」
「魔法よ。あれは魔法によって錬成されたゴーレムなの」
(ゴーレム……魔法を見るのはこれが初めてじゃないけど……)
──ゴンッ!!
扉は完全に開かれ二つのゴーレムは、手に持つ剣で門の上をアーチ状に交わらせる。
(……やっぱりすごいや)
両手で紙を開きながらミラノはこの様子を見て、感激とこれから先の期待で目を輝かせていた。
「じゃ、中に入ろうぜ」
ゼノスはリュックを背負いながら、後ろからミラノの背中を軽く叩いて門の向こうにへと歩き始める。
「えぇ、そうしましょう」
続いてリゼルもその後に付く。ミラノは、ゴーレムをまだ見たい気持ちもあったが、二人の後を追うことにした。
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