世界の終わり

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「ところで先輩、あいつらに噛まれると何かあるんですか?」 近づいてくる〈奴ら〉を引きはがしながら頭の中の疑問を口に出す 「何だ知らないのか?〈奴ら〉に噛まれると何故かその者も〈奴ら〉になってしまうんだ」 「うへぇ、マジでバイオ…」 奴らは頭を潰さなければ死なず、こちらは1発受けたらゲームオーバー…バイオハザードよりは難しいがまあそれくらいのハンデは合った方が良い 「そっちの方がスリルがあって楽しいや…」 「………………………」 冴子の見る昭は笑みを浮かべ瞳から光りが消えている…裏の人間である事は明らかだ… 「うわああああああああっ!!」 目的地の保健室から悲鳴が響く、冴子と昭は顔を見合わせると保健室に突入した 保健室の中では一人の学生が食われ、一人の金髪の女性が襲われかけていた 昭はすかさず女性を襲っている方にナイフを投射する、生徒の方はもう食われてるし男と女が同時に襲われてたらどちらを助けるかと聞かれたらすかさず女と答えるからだ 「はえ?」 いきなり〈奴ら〉の頭にナイフが刺さるのだから驚くだろうに… 突き刺さったナイフを抜くと女性に笑顔を向ける 「うす先生」 「あ、あ川島君…無事だったのね」 鞠川静香(まりかわしずか)校医、金髪のロングヘアーでとにかく胸がデカイ よく保健室に休み(サボり)に来る昭はある意味常連である 「って静香先生だいじょぶ?何か泣いてるけど」 「むうっ泣いてないもん」 「半泣き状態でんな子供みたいな否定方されても…」 昭はこの先生が何故か好きだ、恐らく記憶にない母親の面影をこの人に合わせているのだろう 「2年生君の名前は?」 あらかたの敵を片付けると冴子は膝をつき、食われていた生徒に声を掛ける 「こりゃもうだめだな」 他人事の様に…いや、実際他人事なのだが空気の読めない発言をすると冴子が木刀を構える 「俺がやりましょうか先輩」 「良いんだ川島君、男のプライドを守ってやる事こそが…」 木刀を頭上に上げ… 「ち、ちょっと何を…」 「離れてた方が良いよ、血ぃ付くから」 「女たるのスタイルなのだ」 そのまま垂直に振り下ろされる
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