突然の再会

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そんな事を思いながらやっと駅前に到着する。 時間にして10分位の距離なのだがとても遠く感じた。 一哉からメールが届くといつもこうなる。 「ふぅー…」 とため息をついて空いていたイスに何とか腰掛け空を見上げた。 6月に入り、日に日に日没の時間が遅くなる。 もう18時近いのに、まだ空は明るい。 こんなにも明るい空を前に、自分の心は何と暗い事か。 そんな感情をふり払うように深呼吸していると、男性の遠慮がちな声が前から聞こえた。 「人違いならすみません。臼井さん…だよね…?」
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