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一哉とは5年前の20才の時に同じバイト先だった事で知り合い付き合い始めた。
彼は他から内定を貰っていたにも関わらず、希望していた仕事が諦めきれないと就職浪人になってバイトしている時だった。
真面目そうな印象とは裏腹に付き合ってみると彼女と女友達との境目が曖昧で、誘われるとすぐに遊びに出掛けて行く。
彼も当時は23才とまだまだ遊び盛り。
それで身体の関係がある訳ではないが明るく面白い彼の周りには女友達が多いのは事実で
「自分は一体彼の何なのだろう…」
と月並みな事を考え始めると止まらなくなった。
別に異性とはいえ友達だし遊びに行くなとは言わない。
ただもう少し自重して欲しかった。一哉にも、彼女がいるとわかっている一哉の女友達にも。
そしてこれもよくある話で、私はそんな彼についていけなくなり別れる事を決めた。
しかし一ヵ月も経たないうちに一哉から
「寂しい…会いたい」
と連絡が入り会いに行ってしまった。
自分から別れたとはいえ私も寂しかったから。
(もしかしたら女友達と遊ぶな)
というのは子供じみた私のわがままだったのかも…とも思ったのだ。
それからズルズルと付き合っては別れて、また復縁して…を幾度となく繰り返して今に至る。
正直もう一哉の事が好きなのかどうなのか分からない。
でも少なくとも私は一緒にいて飾る事もなく気が楽だからついこんな関係でいてしまう。
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