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一哉が念願の社会人になってからは時間もあまり取れなくなったようだけど、時間が合えば女友達と遊びに行くのは相変わらずだった。
だけど週末の夜は大概私は呼び出される。
そして一晩を彼の部屋で過ごすのだ。
しかし彼のその様子はまるで散歩に行く犬のよう。
ふらりと外に出ては当たり前のように私の所に帰ってくる。
彼のその姿を見ていると、もう全てがどうでもよくなっていた。
考えるのがもう疲れてしまったのかもしれない。
少なくともベッドで抱き合っているのは彼女である自分だけで、他の女友達とはそれがない。
それだけで自分は充分だと思い込んだ。
でなければ自分に自信のない千咲には辛過ぎた。
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