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「り~く!また夕野見つめてんの~?」
「うっせぇよ!海(かい)!静かにしてろ」
俺の名前は朝野陸。
ごく普通の男だ…と自分では思っているが。
「そんなに夕野が好きなら、まずその格好をどうにかしないと。まず相手にされないぞ?まあ、あいつは誰も相手にしないけど」
こいつにバカにされっはなしだ。
まあ、髪はボサボサに、ダサい眼鏡…言ってもその程度だけど、今の俺は相当キモいらしい。
「わかったわかった。そのうち…な?」
恒例となった会話を流し、また彼女を見つめる。
いっ、今キモいって思ったやつ…残念ながら正解だ。
確かに夕野が好きだけど、告白する勇気なんて…ない。
だってこんなに普通な俺だし。
「そのうちっていつだよ!早くしないと、俺がもらっちゃうよ~ん?さて、64回目の告白でもしてきますか!こんどこそ、OKだぞ~!」
そう言って、海は夕野の元へ走って行った。
ちなみに、あいつは63戦63敗…。
最初の50回はしかと、後の13回は、さすがにしつこかったのか「………無理…」という2文字で撃沈されている。
まあ、今回も無理だろう。
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