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「おい!!」
校門前まで走って逃げてきたおれは、そこで一人の生徒に声をかけられる。さっきの事があって警戒し、そのまま走り校門を出ようとするが、腕を掴まれてしまい結局捕まってしまった。
腕を掴まれた拍子でコケそうになるが彼が支えてくれたお陰でコケずにすんだがしゃがみ込んでしまう。
「お前、宮内櫻だよな」
声にトゲがある。
おれはそっと顔を上る。
彼は恐い顔をしておれを見下ろしていた。
「そうですが、何かようですか??」
上手く出来てるか分からないが笑顔をつくる。
「なにヘラヘラしてんだよ…それより何で逃げた?」
ヘラヘラって…
「あのー逃げた訳じゃなくて、おれの事じゃないと思って…すみませんっイタッイタイ!!」
腕に痛みを感じたと思ったら、腕を引っ張られ、おれは立たされる。
「ははは…ども。」
立って初めて分かった事。
背が高い…
おれより頭ひとつくらいでかい。
真っ直ぐ見るとおれの目線は彼の胸…
そしておれは気づく、ネクタイの色が違う事に…
緑色のネクタイ
この学校では学年によってネクタイの色が違い、1年は赤色、2年は緑色、3年は青色。
おれの目の前にいるのは2年の先輩。
「あのーそれより、先輩がおれに何の用ですか?」
「お前、何かされなかったか?」
「…今腕掴まれてます…」
「そうじゃなくて!!」
眉間にシワを寄せおれを睨む。
「俺に会う前に何かされなかったか?意味の分からない事を聞いてきたり、遊びに誘われたり、必要以上に体に触れられたり…」
「今日は式のみで顔合わせ程度にしか…」
さっきの事が頭をよぎる。
「キス…」
「キスぅ!?」
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