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目をぱちくりさせ、先輩は驚いていた。 つい出てしまった言葉におれは少々焦ってしまった。 「いえ、何でもないです…」 「何でもないじゃねーよ!無理矢理キスされたのか?」 「いいえ」 おれはまた笑顔を作っていた。 まさか男にキスされたなんて言えない… 「お前もしかして、何されても平気的な…」 「んな訳ないじゃないですか!!」 おれはおもいっきり否定する。 それを聞いて先輩は息を吐いた。 「それじゃ、本題に入る。」 また凛々しい顔に戻った。 よく見ると切れ長の目に通った鼻筋。短髪がとても似合っている。 街を歩いていたら女の子に囲まれそうだ… 「聞いてんのか?」 「あ…はい。聞いてます…」 ちょっと恐いけど… 「お前、この学校でそんなに無防備でいたらホントに襲われるぞ」 「え…」 「お前がどんな奴にでも抱かれるっていうんだったら別だが全くそんな気がないなら風紀委員に入れ。」 「風紀委員?」 「ああ…」 「なぜ?」 「説明するからよく聞け!!」 先輩の話によるとこの学校には男性を好む生徒が多いらしい。 いわゆるゲイ… ただそれだけなら問題はないのだが、ごく一部の生徒は強姦のような事を平気でするという。その生徒から守る機関が風紀委員という組織。 毎年高等部に上がる生徒の中から最も襲われる危険性のあるものと判断された数名に声をかけ、入るように促しているという。 何を基準に決めているか知らないが、その数名の中におれが選ばれたらしい… 「どうしておれが…」 おれの呟きに先輩は少し困った顔をする。
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