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宮内櫻(みやうちよう) それがおれの名前。 宮内総合病院の長男として生まれたおれは、エリートコースを進むべく小学校は私立へ行ったのだが、いつも周囲に合わせ、何にも興味を持たず、ただ周りに笑いかけているおれを見た6年の時の担任に 「このまま蒼北学園に合格しても、この子にとって何も得るものがないと思うので先ずは別な中学に行く事を勧めます」 と言われてしまい父は激怒していたが 「先生が言うんだからそうしなさい」 と当時健在だった祖母の一言によりおれは近くの公立中学へ行く事になった。 1年、周りが部活や勉強などで切磋琢磨していたのに俺は一人取り残されていた。 私立小から来たというだけで皆避けるのに、当たり前のように何でもこなすおれを見て尚更距離が出来ていった。 友達なんて一人も出来ずに一年が過ぎていった。 2年、体育の授業で100mを走った時、転勤してきた体育の先生に陸上部に誘われるが俺は何度も断る。 走るのは元々好きだったが父が許してくれるはずがない。 でも… 「練習して努力したらもっと速くなる。全国だって狙える。俺が保証するから、陸上部に入れ!!」 先生に言われたその一言で俺は陸上部に入ることを決めた。 努力 何故かその言葉に引かれた。 おれはそれから自分のために努力をした。 父を説得して中学の間という約束で陸上を始めた。 努力をする事を知った事で周りから認めて貰えるようになり、友達もできた。 3年、一年間の努力によりおれは全国大会、大会新記録で優勝した。 そのお陰で沢山の高校から声をかけてもらった。 でも、全て断り蒼北学園に入学を決める。 これから始まる事などなにも知らずに…
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