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少し矛盾しているような自分の考えがおかしく思えたが、月真尼様と血縁であることには変わりがない。
私の答えを聞いたお栄さんは更に口を開いた。
「どこから、来たんだい?」
「柳生の里から…です。
その……家出で…。」
最後の方は聞き取りづらいほど、声が小さくなっていった。
女が“家出した”なんて言うと、大抵の大人は怒る。
しかし、お栄さんはケラケラと笑い出した。
「柳生から来たのかい。強い子だねぇ。
今日は泊まりなさい。明日、誰かに薬と一緒に送らせよう。」
…今、お栄さん…
「薬って…?」
私の問にお栄さんは小さく、
えっと言った。
「お祐さん、知らないのかい?」
知らないって何が?
私の顔を見て、何も知らない事を悟ったらしいお栄さんは、静かに話し出した。
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