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店の主人に八幡様までの道を教えてもらうと、すぐに向かった。
知らない土地を歩く不安…。
見知った人が居ない不安…。
いくつもの不安が私を取り巻く。
柳生を出てから大分経つ…。
そろそろ香穂が追い付いてくるころだろう。
そう考えながら八幡様までの道を歩いていると神主様らしき装束の人が、女の人と話しているのが聞こえた。
「………のおつねは……なんで…よ。」
「それ……すね。」
「あの…。」
私の発した声に2人はこちらを向いて、神主様らしき人が口を開いた。
「どうかしましたか?」
優しい声音で話し掛けてきてくれた。
見知った人が居ない土地で聞いたその声音は、私を安心させるには十分だった。
「試衛館という剣道場を御存知ですか?」
試衛館という単語に、女の人の表情が反応した。
「試衛館なら、私よりこの方のほうがよく御存知ですよ。」
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