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「合衆国政府か」 影山は落胆ともとれるような声を発した。 「まだ右も左もわからない頃、ただアメリカ合衆国のため。 という合言葉にも似た洗脳でオレの行動意義を作り出していた言葉。 今じゃ、どうでもいいがな」 影山は一人毒づいて、 「わかった。 契約に応じよう」 少女の手を離し、初めて影山は赤髪の方を向いた。 「んじゃあ、明日の夜迎えを寄越すからそれまで適当に別れの会でもやっておけ」 「その必要はない。 既にマンションも解約した」 病室を出ようとした赤髪の背中を影山はい抜いた。 「さっき、連絡があったぜ。 同級生、アンタを心配してわざわざマンションまで来たそうだ。 だがまぁ、もう帰っちまったらしいがな」 赤髪は言った。
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