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そして、空の目は神谷にピントを合わせた。 「ワトソン君!」 神宮寺はいきなり宏の首根っこを掴んだ。 「オレのこと……」 嫌な予感を宏は感じた。 「そうだ。 今から我々だけで現場保存に行くぞ! ファッハハハ! 後は我々だけでやるから君達下っ端は帰ってくれて構わん」 神宮寺は嫌がる宏を引きずって神谷達とは反対の道に進んで行った。 唖然とする神谷と空。 「現場保存って……」 思わず声を漏らす空。 「どうだか」 神谷は大きく溜め息をついた。 しばらく二人の姿を目で追った後神谷達は歩き始めた。 最初、神宮寺の残した謎の空気に戸惑い、空と神谷は黙々と足を動かした。 無言のまま住宅街を出て国道に入る。 帰宅ラッシュのためか交通量が増していた。
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