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「私にとって大事な人はみんな消えていく。
剣も、母さんもそして、いつか神谷と空も二人でどこか私の手の届かない遠い場所に行っちゃう…………」
神宮寺の目が潤んでいた。
「部長…………。
大丈夫だって、オレが最後までお供しますかり」
宏は笑いながら言った。
神宮寺の辛い過去、雪が降り積もる中ひっそりと一人で泣いていた神宮寺の姿を宏は見てしまっていたから。
あの時、どう声をかければいいかわからなかった後悔を打ち消すために。
神谷、宏、空、神宮寺には共通する一つの絆があった。
それは皆、同じ養育施設に住んでいたことだ。
養育施設に預けられる理由は様々、事故で親を亡くした、生まれてすぐ捨てられた、神宮寺のように親が経済的な理由で子育てが出来なくなった。
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