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「何だ」
神谷は言った。
「別に。
もぅ、眠いから寝る」
真正面に見ていいた目を逸らし、少女は立ち上がり寝室に入って行った。
すると、男が洗い物を終えたのか神谷の隣りに座った。
「あの方、今日はよく喋りますね」
少女が飲んだカップや急須を片付けながら男は言った。
「私と二人でいる間はずっと無言でした。
何か心配そうな目付きで窓の外ばかり眺めていて。
よっぽどあなたのことが心配だったんでしょう」
男ははにかみんだ。
「どうでしょうね」
神谷は寝室の扉に視線を移す、するとなぜか空のことがふと頭に浮かんだ。
どうして空もアイツもオレを心配するんだ。
オレは人に心配されるような人間じゃないのに。
そんな資格は持っていない。
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