プロローグ

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背は175センチくらいで、少し細目の体型をしている。 髪の毛はブラウンの長髪。 黒いスーツを着ていて、一見するとエリートビジネスマンという印象を連想させられる。 3年前の定秋とはまるで別人だ。 (久し振りの日本。 涼子はどうしているだろう) 《こちらα5。 無事に配置に着きました》 左耳に仕込んだ通信機から連絡が入る。 《こちら、エース。 β7と合流後、3501へ》 《了解》 周囲に気を配りつつ、定秋はある場所へ向かって歩き出した。 東都高校 物理教室 どこにでもあるような物理教室。 3人掛けのあちこちヘコんでいる年代物の机と丸椅子。 机にはガスバーナーと簡易水道が整備されている。 壁を歴代ノーベル賞授賞者の顔が取り込み、授業参観滴な雰囲気をかもしだす。 そんなポスターを夕日が照らしている。 「ヤッホー神谷、また部活中に読書?」 窓際で読書をしている神谷の背中を思いきり叩く宏。 「神宮寺部長、宏(コウ)のヤツがうるさいです」 神谷は本から目を離さないで言った。 「宏君、部長命令! もっといじり倒して」 神宮寺はにやついた声で押し立てる。 (たっく、こいつらは……) 「七瀬も一緒に神谷いじろうぜ」
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