追っ手

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 むやみに歩き続けても体力の消耗をするだけなので、工場と塀の間に身を隠した。  ふと見る汚れた手は、遥かに歳をとっていて、渇いた喉は悲鳴をあげている。  それでも俺は逃げ切れる自信があった。  何故なら、このゲームは後半になればなるほどターゲット側が有利になる。その根拠はルールから察しがついた。 追っ手はターゲットを墓場送りにした場合、その時点でゲームから降りる事になる。 つまり追っ手の人数はターゲットが捕まるに比例して減っていくのだ。
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