始まり

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因みに、二人が先ほどから言っている゛アレ゛とは、土方の書く゛豊玉発句集゛の事である。 日常の出来事から様々な事までを書き記しているのだが、それがまた面白いのである。 例えば… 『大切な雪は解けり松の庭』 や 『梅の花一輪咲いてもうめはうめ』 などだ。こんなものを人前に見せたらどうなるか。 鬼の副長と呼ばれていたのが、恥ずかしがり屋の副長になってしまうのではなかろうか。 そんなわけで、土方は沖田に口止めをしているはずなのだが…。 生憎のこの様だ。 ゛とりあえず、隊士達にバレなければあとはどうでもいい。゛ ぶっちゃけたところ、土方はそう思っていたのかもしれない。だから、敢えて土方もそこまで襲ってこなかったのだ。
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