始まり

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(私は一体、何を見ているんでしょう?) そもそも、自分は先ほどまで豊玉発句集を見ていたはずなのだ。 (それで……吸い込まれ、た?) 自分でも疑問文にしてしまうほど、わけが分からなかった。 《これが、お前がこれから共に生きていく奴等だ》 (へぇ、こんな方々と―って。え?) 突然、何処からか声が聞こえてきた。沖田は少し困った表情をする。ただ、今自分の体自体が見えてるかが問題なのだが。 (失礼ですが…これは夢ですよね?) 《あぁ、夢だ。といっても、予知夢みたいな感じだがな》 こんな性格な夢をみたのは、初めてだった。 《今からお前は、今さっき泣いていた者の所へ行ってもらう》 (え!?) 《もといた所に帰りたいのであれば、やる事はやれ。以上。》 なんて、この声の主は無責任なのだろう。と、沖田はつくづく思った。
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