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Aさんはみんなに追い付こうと必死に走りましたがなかなか追い付きませんでした
それどころかなかなかお墓に出ないのです
おかしいな焦って道でも間違えちゃったのかなと不安に襲われた時
急に寒気がしました
悪寒が全身を包み何か分からないけどヤバいとAさんは直感しました
早くここから出ないと危ないと思い
みんなのことは諦めて来た道を戻ろうと思い後ろを振り向いた時です
Aさんの目の前に髪の長い女が立っていたのです
Aさんは恐怖のあまり絶句してしまい足が竦んで動けなくなってしまいました
Aさんは目をつぶって心の中で助けて助けてと叫びました
しばらくして目を開けるとまだ女は目の前にいました
しかしAさんは様子がおかしいことに気付きました
目の前の女はなぜかAさんの方を見ずにずっと上ばかり見ているようでした
Aさんの後ろにはちょうど樹齢100年の大木がそびえ立っていました
Aさんはふっと亡くなったお祖母ちゃんの話を思い出しました
それは樹齢100年も経つと木だって不思議な力を持つんだよと言う話です
もしかしたら後ろの木が私を守ってくれているのかもと思い
前にいる女を見てみました
するとやはりAさんの方を見ずに後ろの木を見上げています
やっぱりこの木が守ってくれてるんだ
お祖母ちゃんの言う通りだと思いAさんは後ろを振り返ろうとしました
と、その時
やめろ!!
と女から女とは思えない低いうなり声が響きました
Aさんはもう無我夢中になって助けを乞うために後ろを振り返りました
その時です
Aさんはすべてを見てしまいました
そして理解したのです
なぜ女が木を見上げていたのかを
木には男がぶら下がっていたのです
首を吊った状態で
男は恐ろしい顔で女を睨んでいました
Aさんの記憶はそこで途切れてしまいました
気がついた時は病院のベットの上でした
後から話を聞いたところ親戚一同が墓参りを終え、家に帰ろうとしたところ途中でAさんがあの木の前で倒れていたと言うのです
Aさんはあの話をみんなにしました
すると親戚の中の一人の伯父さんが物憂げにこう言ったのでした
あの木は昔首吊り自殺が起こった木でたまに出るのだと教えてくれました
しかし伯父さんは最後に気になる一言を言いました
でも首吊ったのは女だったけどなと……
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