プロローグ

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      ―――4月。 新たなスタートの季節。 新たな出会いの季節。 早咲きした桜が3月には 満開になり、 4月だというのに早くも散り始めていた。 穏やかで優しい風が吹き、まだ少しポツポツと咲いていた桜の花ビラが宙に舞う。 晴れた空にひらひらとピンクの花ビラが舞い踊る様が、とてもきれいなコントラストをつくりだしており、思わず見とれてしまった。 私は四季の中で一番、春が好き。 だから、本来なら暖かで明るい春の訪れに喜んでいるハズだ いや、ハズだった。 -なのに―… 私のこれから始まる新生活へのワクワクとした期待は、アイツのせいで早くも崩れさってしまったんだ――…。  
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