新学期

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    「ねぇ、ちょっと離れて 歩いてよ。」 「離れたら意味ないだろ。 つーか、何でそんなに機嫌が 悪いわけ?」 「……別に。」 「あっそ。じゃあもっと笑えよ? そんな顔してんな。」 「人の勝手でしょおッ!!」 なぜ私は新学期が始まってそうそう、こんな膨れっ面をして歩かなければいけないのだろうか… 答えは簡単。 私が最も関わり合いたくない、学年一いけ好かない男が私の隣を歩いているからだ。 それもあろうことか私の肩を 抱きながら!! でも私はこの男の手を振り払ってはいけない… 当たり前のようにその行為を受け入れなくてはならないのだ。 私とアイツはあんな約束をしてしまったから――… 約束さえしなければ、私はもちろんこの男に近づくなんて事はしなかった。 ―…そう、私とこの男が、こうやって肩を並べて歩いているのには理由がある。 その理由を聞いてくれる? それは今から3日前に起こった 信じられない出来事が原因なんだ ―――――――― ――――― ――  
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