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私、近江 智草(オウミ チグサ)
この間までは高校1年生だったけど、今日から学年が一つ上がるから高校2年生になる。
私が通っている北栄学園はここら辺ではわりと人気がある学校だ。
そこそこ偏差値が高く、まあまあ駅から近いので交通の便が良い。それに部活動や行事などにも力を入れているから、校内には活気が溢れている。
中でも生徒が主体となってつくりあげる文化祭は、異様なまでの盛り上がりをみせ毎年多くの来迎客でにぎわう。
イベント事だいすきな私にとっては、まさにうってつけの学校なのだ。
……でもまぁこの学校に決めた
1番の理由は……
やっぱりこの学校の制服だよね!!
もお、めちゃくちゃ可愛いんだよっ!この辺りじゃダントツ!!
白のブラウスに赤いリボン。紺色のブレザーに、灰色が主体で白と黒の線が混じりあったチェック柄のスカート。
在校生のセンパイたちは皆制服をきくずして着ていて、スカートは腰で二重三重に捲りあげ、太ももを露出していた。
それが当時、膝よりもほんの少し長い何もいじっていないスカートを履くことを強いられていた中学生の私にとっては、衝撃的で、物凄くセンパイたちがカッコよく大人に見えた。
それから少しレベルが高く人気もある北栄学園に入学するために、毎晩必死に勉強した。
受かった時は本当に喜びと達成感とで顔がぐちゃぐちゃになりながら、歓喜の涙を流したなぁ。
もう1年も前の事なのに今でも鮮明に昨日のことのように覚えてる。
――なぁんて昔の思い出にひたりながら歩いていると、突然後ろから声をかけられた。
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