1124人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ、智草っ!?」
声の主の方を振り向くと、そこには私の一番の友達の鞠亜がいた。
「あ、おはよ。鞠亜。」
「おはよ…って、何か意外!智草がこの時間に登校してるとか、珍しくない?」
「なによ、それっていつも私が遅刻ギリギリだとでも言いたいの?」
「え~、だって事実じゃん!やめてよねぇ―今日傘持ってきてないんだから雨降らすの。慣れないことして、お天道様をビックリさせないで下さい~!」
「なにそれ!降らないからッ!それとお天道様もビックリしません!!」
わざとからかうようにして私に向けた言葉にムキになってくってかかると、鞠亜は腰まである長い髪を揺らしながら笑った。
柿原鞠亜(カキハラ マリア)
高校から付き合うようになった友達。1年の時同じクラスで、席が前後だったということもあり私と鞠亜はすぐに仲良くなった。
鞠亜は身長が高く、スラッとしたモデル体型で女の私からみても魅力的な女の子。顔も大人っぽく性格も姉御肌な彼女はいつも皆から慕われる存在。
鞠亜よりも10センチほど背が低くどちらかというと童顔な私は、ひそかに鞠亜に憧れていたりする。
まぁ、そんなこと鞠亜にいったらきっと調子にのるだろうから言わないけど。
それから10分くらい2人で話をしながら歩いているとすぐに学校の校門が見えてきた。
最初のコメントを投稿しよう!