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とにかく、浴槽から出ようとした冴は足元に何かが、絡み付くのを感じた。 見ると、足元から無数の長い髪が溢れるように、どんどん増えているのだ。 これは、実体では無いのだからと、冴は強い気持ちで真言を唱えた。 今度は、あちらが苦しむ番だった。 冴は先程、口を濯ぐ事を忘れていなかった。
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