第一話 ある真夏の夜…冴

12/14
前へ
/178ページ
次へ
 成仏したいのなら、微力ながらも協力すると。                                       浴槽の中では苦しみながらも、聞き分けの無い女性の顔と両手だけが、髪の間に浮いて冴を掴もうとしている。                              冴は怯まずに女性に向かい、このまま苦しみ続けるか、成仏したいのかを問いかけた。                     その間も真言を唱える事は忘れない。                       女性の顔が歪み、崩れていく。
/178ページ

最初のコメントを投稿しよう!

446人が本棚に入れています
本棚に追加