第二話 夜の海…舞

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 知らない女性の顔は、はっとしたような顔になった。                                    そして、泣きながら、「自分はこの海で、一緒に死ぬ筈の男に無理矢理沈められたのだ」と、言うのである。                               一緒に死のうとまで思った男性に裏切られ、殺されたのは可哀相だけれど、ここで同情してはいられない。                                もう、舞達は胸の辺り迄、海水に浸かっていたのだから。
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