「犬と飼い主」

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俺は何がなんだかわからないまま、彼女の後をついていった あの不細工犬は連れたままだ しばらく歩いていると 道に迷ったおばあちゃんが彼女に道を聞いてきた どうやら駅に行きたいらしい 彼女はちょっと渋い顔をしたかと思うと、東の方角を指で指し示した おばあちゃんはよほど困っていたのか何度もお辞儀をして立ち去った あれ?まてよ、駅の方角ってたしか西側じゃあ・・・・ ふと彼女の顔を見ると ニヤニヤ笑っていた ああ・・そうか・・彼女はわざと違う方角を教えたんだ また、しばらく歩いていると幼い男の子が誤って 彼女の頭にボールをぶつけてしまった 彼女は男の子をじっと睨んでそのボールをわざと車の交通が多い道路へ転がした 俺はそのボールを急いで拾い、男の子に渡してあげた その様子を見ていた彼女は、ニヤリと笑い立ち去った
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