「害獣」

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普段なら日夜問わず激しい暴動が起きていたが、駆除決定の影響なのか外は恐ろしく静まり返っていた 大きな動物のもとへ辿り着くと、優しく寄り添った 手で身体を撫でると、大きな動物は僕に視線を合わせた そして「バウッ」と吠えた 撫でながら、僕は今の心境を口にした 「ごめん、君は何も悪くないのに、こんな酷い仕打ちを受けて… さっき決まったんだけど、明日には君はこの国に消されちゃうんだ」 僕の言葉を大きな動物は静かに聞いているように見えた 僕は続けた 「人間は君のことを人々に不幸をもたらす害獣だと言っているけど、 実害はどうあれ人間にとって都合が悪くなった物は全て害なんだ これが人間なんだよ… 僕には害獣がなんなのか分からないよ」 僕の告白を静かに聞いていた大きな動物は、初めて僕の頬を優しく舐めた 僕は大きな動物の自発的なコミュニケーション、意志疎通が取れたことに驚いた
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