僕とパンドロの箱～壱～

～FEATHER～

『おはようございます。』

愛は清美に挨拶を返すと昨日貴史と接触した男について尋ねた。

清美によるとその男の名前はアンソニー・ロッドマン、アメリカ人で元ＦＢＩ捜査官だった男だ。

また、テロ組織フラワーの構成員で把握出来たメンバーの多数が各国の特務機関に所属していたという経歴があるらしい。

『これから捜査するにあたってホテルよりも私達の本社ビルの方が安全だと考えます。移動しませんか？』

確かに…愛は頷くと荷物をまとめ始めた。

『貴史さん、私達も支度を急ぎましょう。』

そういやバスローブのままだな…

貴史はベッドルームに戻り着替えを始めると、清美も入って来て着替え始めた。

－そういや昨日…－

貴史は昨日の風呂を思い出し、ヤバイと思いとっさにティッシュを両方の鼻に詰めた。

『何してるんですか？』

清美は貴史がいきなりティッシュを鼻に詰めだしたので不思議に思い聞いてみた。

『いや…前もって準備しといた方がいいだろ？』

？？？？

二人は着替えを済ませると、愛と共にＫＤＳ本社へと向かった。