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一方清美は…
貴史からのメールを受けた後、一人考えに更けていた…
と言ってもKDSの事では無い。
貴史の事だ…
清美はKDSの株主になる事にさほど抵抗は無い。
人の手に渡ったとはいえ自分の父親が創った会社だ…自分が株主になり一からやり直す事が出来るなら、むしろそうしたい気持ちだった。
今、清美が考えているのはこの機を利用し、貴史と正式に婚約する計画だ。
その為には自分はあんまり乗り気では無いが、将来の旦那の願いだから仕方なく引き受ける形に持って行く必要がある。
清美はどうやって貴史に結婚を確約させるか真剣に計画を練り上げる事にした…
『貴史さんの性格上、伊藤さんに同情したと考えて間違いないはず…』
清美は貴史の性格を読んだ上で、貴史を社長に就任させる事を条件に株主になる事をKDS側に条件として出し、貴史には結婚を確約し、社長の座に就く事を条件に出す事にした。
これならKDSは貴史を社長にさせる為に貴史を必死に説得するだろうし、貴史は伊藤に同情しているから自分が社長の座に就く事で私が株主になるなら仕方ないと考えるかもしれない…
清美は瞬時にこの説得合戦の主導権を握る策を考えた。
周りを利用し自分の好きな相手を手に入れる…
汚いやり方かもしれないが、貴史を完全に自分のものにする為にはどんな手段も辞さない構えだった。
『おそらくこれで貴史さんは完全に私のものに…』
ニヤリ…
暴走した清美はもはや誰も止める事は出来ない…
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