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『もしもし、どうした?』
恐らく今日の悪戯の件で謝りの電話だろう…
正直、済んだ事にあまりこだわらない貴史は少し怠そうに電話に出た。
『矢田君?今日はゴメンなさい。ちょっとやりすぎちゃった…三日間停学だって?お詫びに停学解けるまで晩御飯作りに行くから。』
学年中に交際を発表(凄く話しを大袈裟にして)し、間違って先生にもメールした事がちょっとだって?つ~かお詫びに晩御飯作るって…
あれこれ考え込む貴史を余所に麻衣子は話しを進める。
『今下まで来てるんだけどオートロック外してくれるかな?』
え?もう来てんの?こっちの都合はお構いなしですか?
少し黙り込んだが、せっかくお詫びをしようと来た人を追い返す事は貴史には出来なかった。
『わかった、入ってくれ。』
ロックを解除して数分すると、玄関を物凄いスピードでノックする音が聞こえて来た…
インターホン鳴らせばいいのに…
ゆっくりと玄関を開けると、麻衣子と一人の男が立っていた…
『おっ君、もういいわよ、荷物玄関の中置いといて。』
おっ君と呼ばれたその男は素早く荷物を置くと足早に去って行った…帰り際に貴史に哀れみの視線を送りながら…
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