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『…と言う訳でこの電話も傍受されている可能性があるので今から会ってもらえないだろうか?出来れば白石清美さんも一緒に。』
やはりこいつは清美をFEATHERだと思っている…とすれば清美を連れていくのは危険だな。
『なんで清美を連れていく必要があるんだ?彼女は俺がFEATHERと繋がっている事を知らない、っていうか知られたくない。』
この程度で清美の疑いが晴れる訳はないがこう言っておいた方が都合が良い。
三浦はこの通話が傍受されていないか本気で心配している様で、少しの沈黙の後俺一人でいいから会ってくれないかと頼んで来た。
清美は心配そうにこちらを見ていたが向こうがなぜFEATHERにこだわるのか聞いてみるのも悪くないと貴史は思った。
『わかった…場所はこの間の所でいい?』
この間の所とは以前三浦と会った喫茶店の事だ。
店の名前を言って本当に傍受されていたら大変な事になるかもしれないので敢えて名前は出さなかった。
『わかった…30分後に待ち合わせよう。』
三浦はそう言うとすぐに電話を切った。
『貴史さん…』
貴史は清美とマーメイドに今の電話の事を話した。ここ(家)からなら待ち合わせの喫茶店まで10分もかからない。時間は充分にある。
『さっきのテロに少なからず関わっていると思っていいわね。』
『うん、しかしなぜノアが私達にこだわるのか…行ってみる価値はありそうだね。』
二人の見解はとりあえず貴史を拉致したりする様な事は無いだろうと断言した。何も考えずに会う事を承諾したものの、少し不安があった貴史はホッとした。
『坊や、わかっているだろうけど私達の事は漏らさない様に頼むよ。言動には充分気をつけてね。』
『わかってる、じゃあ行って来るよ。』
携帯と財布をポケットに入れ出掛けようとする貴史にマーメイドが
『万が一を考え坊やの留守中に誰か来ても出ないからそのつもりで。また、坊やが帰って来る迄この家の電話、私達の携帯にかかってきた電話にも一切出ないから、たとえ坊やからの電話でもね。』
『そうしてくれ。』
坊や坊やって小学生のくせに…と心の中でツッコミを入れた貴史だったが口には出さず、喫茶店へと向かった。
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