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『いらっしゃいませ。』
貴史が喫茶店に入ると既に三浦は席についてタバコに火を点けていた。
『アイスコーヒー』
店員に注文した貴史は三浦のテーブルへと腰掛けた。
『何故俺達の事探ってるんですか?』
いきなり核心を着いた貴史の質問に三浦は冷静に話しを始めた。
『まず貴方達を調べていた事はお詫びします。』
本心から詫びているとはとても思えなかったが黙って聞いていると
『まずこの件に関しては私と部下二名、そしてFEATHERの一員であるイカロスさんの四名以外の者は関わっていません。』
マーメイドの言った通りイカロスはノアについているのか…
『私達はFEATHERに協力してもらう為にメンバー全員の素姓を知りたかったんですが…』
『イカロス以外解らなかった。』
『はい、イカロスさんはKDS事件の際に警察に協力して森山(事件の主犯)を追い詰めていた。顔が割れていたので比較的簡単に見つける事が出来ましたが他のメンバーの事は一切話してくれませんでした。』
マーメイドの読みは凄いな…
ホームページにもマーメイドや竜に協力を仰ぐような事は書かれていなかった。
恐らく女性を危険な目に合わせたくないという気持ちから庇ってくれたんだろう。
結構いい奴だな、イカロスって。
『そこで私達はイカロスに黙って別府まで来たという訳です。もっとも、イカロスさんは私達の動きに気付いているみたいですが。』
とすれば何らかの情報がマーメイドか竜に送られてくるかも知れないな…
『さっきFEATHERに協力して欲しいとか言ってたけどノアの組織力があればFEATHERの出る幕は無いと思うけど…』
貴史の言葉に三浦は少し声を小さくして話しを続けた…
『その組織力を使う事が出来ない事態になっている。』
『え?』
『ここから先は協力を約束して貰わなければ話す事は出来ない。もしこの事がバレたら私達の命に関わってくるので。』
三浦が嘘をついているとは思えなかったが、FEATHERに連絡を取ってみるから返事はまた明日すると言って喫茶店を出た。
後を追い掛けて三浦は時間が無いのでなるべく急いで欲しいと告げると貴史とは反対の方へと歩いて行った。
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