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『昨日の自爆テロ…お前達の仕業か!』
『ワレワレガホンキダトオワカリイタダケマシタカ?』
テロを指揮したと思われる男は棒読みで答えた。
『しかし…何度も言っているが私一人の権限ではお前達の要求に答える事は…』
『ワカリマシタ、マタオデンワシマス。キョウトハヨイトコロデスネ…』
『!待て!』
男が声を出した時には既に電話は切られた後だった。
男は直ぐさまイカロスの携帯に電話をかけた。
『イカロスです、話しは聞いてました。直ぐに京都市民に避難勧告を出して下さい。』
しかし男はイカロスの言葉に直ぐ行動に移す事が出来なかった。
事前にテロを知っていたとなると昨日の事も知っていたのではとマスコミにツッコまれるのでは?と考えたからだ。
『どうしました国防長官、今は国民の命を最優先すべきです。昨日は運よく死者は出ませんでしたが今日はわかりませんよ!』
イカロスの声にようやく腹を決めた男は総理大臣へと連絡を取った。
最初は戸惑っていた総理も昨日の自爆テロの犯人から電話が有ったと知ると急いで関係各所に通達、警察、メディアを通じて避難勧告を出す様に指示を出した。
『イカロス…今回の件で私は辞任するしか無いだろうか?』
『それを決めるのは私ではありませんが長官の迅速な対応で京都市民の被害は最小限に押さえる事は出来るでしょう。』
『…』
イカロスの言葉に返事する事無く国防長官は電話を切った。
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