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『問題は誰が爆弾を横流ししたかね。怪しいのは彼か…』
マーメイドは清美に怪しいと思われる男を調べる様にメールを送るとIから貰ったパスコードを使いノアのデータバンクにアクセスを試みた。
一方、京都に到着した清美と貴史はテロ現場近くのホテルにチェックインしていた。
『しかしマーメイドが残していったシステム(インターネット等に接続しても受信先を特定出来ない様にする)よく持ち出せたな。』
清美は貴史の部屋のデスクトップに接続されていた逆探知撹乱システムを自分の持つノートパソコンに移し換えていた。
『そんなに難しい事じゃないよ。これが無いと捜査が難しくなるから…』
清美はマーメイドからの指示を見ると早速その男の詳しいデータを集め始めた。
『これでよし…一時間もあれば彼のデータは集まるわね。』
清美は一息着くとホテルの用意している浴衣に着替え始めた。
貴史はと言うと…
清美に合わせて着替えながらも視線は清美の体からそらす事が出来なかった。
『ところでさ…着替えるって事は今日はもう休むのか?』
貴史は露天風呂でも入って旨い飯食って寝るもんだと思っていたが、
『この浴衣は観光客を装う為です。現場近くの警戒は思っていたより厳しいみたい。』
着替えを終えた清美は貴史と共に現場周辺を見て回る為、ホテルを後にした。
『いってらっしゃいませ。』
フロントにキーを預け現場周辺をうろついていると、清美はしきりに街灯や電柱等に集中しているのがわかった。
『どうした?』
『現場周辺だけでもかなりの数の監視カメラがあります。これならどれかに犯人が捕えられている可能性が高いわね。』
『なるほど…で、その犯人が映っているかもしれないテープをどうやって手に入れるんだ?』
『多分テープは全てノアが押さえていると思います。それがわかればマーメイドの推理が少し信憑性を増します。』
できれば現場を見たかったが、警察が周辺を封鎖していた為中に入る事が出来なかった。
暫くうろうろしてホテルに戻ると、清美は何やら四角い箱(タクシーの通信するやつみたいな物)を取り出しどこかに電話をかけた。
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